今回からは,波がもつ特徴的な性質について学んでいきます!
波が複数発生すると,その波どうしがぶつかってしまうことがあります。 ぶつかった後の波の振る舞いについて考えてみましょう。
ぶつかった波のゆくえ
突然ですがここで問題!
右に進むパルス波と左に進むパルス波がぶつかりました。 ぶつかった後,それらの波はどうなるでしょうか?
次の4択から選んでみてください。
①消える
②片方がもう片方を飲み込んで,1つの波になって進む。
③はねかえる
さあ,答えは決まりましたか? 解答はこの下にあります。 決まった人は答え合わせへGO! ↓ ↓ ↓
では,解説しましょう。 この問題の正解は,実はみなさんもよく知っている現象です。
いちばん身近な波である「音」を例にとります。 2人の人が向かい合って同時に声を出しすという状況を想像してください。
①「消える」が正解だとすると,お互いの声が聞こえない事になります。 そんなことありませんよね? 相手の声は聞こえるはずです。 よって①は不正解。
②「片方がもう片方を飲み込む」だと,どちらか片方は相手の声が全然聞こえないことになります。 ②も不正解。
③「はねかえる」もありえません。 もし音がはねかえったら,自分の発した声だけが聞こえてきます。 ③も不正解。
…と,いうわけで正解は④「素通りする」です!!
2人が向かい合って同時に声を発しても,お互いにちゃんと相手の声が聞えるはず。 ただ単に「聞える」だけでなく,相手が発した音が「そのまま」聞こえます。
つまり,音はぶつかってもまったく影響を及ぼさず,互いに素通りすることがわかります。
これは音だけでなく,すべての波に共通する性質で,「波の独立性」と呼ばれています。
独立性は波を語る上で非常に大切な性質のひとつ。 というのも,普通の物体どうしの衝突では素通りなんてありえないからです。
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。

次回予告
波がぶつかった後,素通りするのはわかったけど,ぶつかった瞬間はどうなっているんでしょう? 次回に乞うご期待!
