縦波のグラフ

以前波のグラフについて学習したとき,ロープを例に挙げて説明したことを覚えていますか? ロープを揺らして伝わる波は横波なので,あのときは自然と横波のグラフを説明していたことになります。

では縦波をグラフで表すとどうなるのでしょうか?

縦波のグラフの書き方

横波は媒質の各点が波の進行方向と垂直に振動するので,波形がそのまま正弦波になりますが,縦波は波の進行方向に対して平行に振動するので,正弦波の形が見えません(縦波がイメージしづらい原因)。

そこで,とりあえず媒質の各点の動き(変位)に注目してみましょう!
縦波では,媒質は波の進行方向に行ったり来たりしながら進むので,それを矢印で表してみます。

上の図のように,x軸正の方向に動く点,負の方向に動く点,そして動かない点が並ぶことになります。

ここで,矢印で挟まれた点(→・←)は,両側からギュッと圧縮されていることになるので密になります。 逆に,矢印が両方向に離れていく点(←・→)が疎です。

このように媒質の変位を矢印で表すと,縦波の特徴である密と疎がどの場所にあるのかがわかります。密と疎を忘れている人は前回の記事で復習しましょう。

横波と縦波振動の伝わり方による波の分類を学習しましょう。 分類と言っても2種類のみ。「横波(よこなみ)」と「縦波(たてなみ)」です。...

ですが,矢印を並べただけではグラフとは呼べませんよね。 そこでグラフを書くために,いま書いた矢印に細工をします!
具体的には,x軸方向に沿った矢印を,y軸方向に向ける」ということをします。
(※グラフを書くためだけの細工であり,物理的には何の意味もありません!)

変位がy軸に沿っていれば,それは横波と同じなのでグラフに書くことができます。
つまり,今からやろうとしている細工は,「縦波だけど,矢印の向きを変えることで横波に似せよう」という魂胆です笑

では,実際にグラフを書く手順を示しましょう。




これで,縦波をグラフに表すことができました! やったね!!

このように縦波のグラフを書く方法を「横波表示」と言います。 書いた縦波のグラフが横波(正弦波)の形なのでそう呼ばれます。

これで縦波も波っぽく見えるようになったわけですが,いいことばかりではありません。
横波表示のメリットとデメリットについてまとめておきましょう。

今回のまとめノート


これにて波のグラフの話はおしまいです。 時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください!

【演習】縦波のグラフ縦波のグラフに関する演習問題にチャレンジ!...

次回予告

次回からは波の特徴的な性質について学んでいきます!

波の独立性波が複数発生すると,その波どうしがぶつかってしまうことがあります。ぶつかった後の波の振る舞いについて考えてみましょう。...
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