力学

等速直線運動

高校物理力学,最初のテーマは等速直線運動です!

中学校でも習っている内容ですね。 まずは簡単なところから復習していきましょう。

等速直線運動とは

等速直線運動とはその名前のとおり,「ずっと同じ速さ(等速)で,ずっと同じ向き(直線)に進む運動」のことです。

正直言って,日常生活でお目にかかる事はまずありません。 向きも速さもずっと変わらないなんて都合が良すぎます(笑)

しかし物理で大事なことは,複雑な現象を扱う前に,まず一番単純化されたモデルで考えるということ。 つまり,等速直線運動という一番単純な運動は,この先学ぶすべての運動の基礎になる大事な運動なのです!

ここで運動の速さについてまとめておきましょう。

今回のまとめノート


速さの計算自体は小学校の算数で習っています。 嫌いだった人も多いでしょう。(私も嫌いでした!)

速さの定義で大事なのは,時間を基準にしているところです。

ふつう速さを競うとなると,100m走やマラソン,車のレースのように「決められた距離を,より短い時間で走りきったほうが速い」,つまり,距離を基準に決めることが多いですが,物理では逆です。

「決められた時間内で,より遠くまで進んだほうが速い」

難しいことは言っていないのに,小学校で速さの分野が苦手な子が多いのは,このあたりのギャップが原因なのかもしれません…

ともかく物理では,時間を基準にした速さの定義が採用されています。 この定義をしっかり頭に入れた上で,

「速さは単位時間あたりに進む距離だから,トータルで進んだ距離をかかった時間で割れば求められるな…」

「速さは単位時間あたりに進む距離だから,移動にかかった時間を速さにかければ進んだ距離が求められるな…」

と,意味を理解しながら式が立てられるようになればパーフェクト!


いつまでも小学生気分じゃダメ

これから物理を学ぶ上で一番やってはいけないことは,例の図 ↓

を丸暗記して計算することです。 これだけはハッキリ言っておきますが,みはじ(きはじ)の公式は、まだ式変形を習っていない小学生専用の公式です(だから中学生が同じ形でオームの法則を覚えているのもおかしい!)。 いまこれを読んでいるみなさんは数学で式変形を学んでいるはずなので,みはじの公式は使ってはいけません。

「そうは言っても,みはじの公式がないと計算できないよぅ…」と思っている人も中にはいると思いますが,そうやって甘えているといつまで経っても計算力が身につきません。 みはじの公式とは今日でスッパリお別れしましょう!

公式丸暗記ではなく、速さの定義(単位時間あたりに進む距離)を言えるようにして,ちゃんと意味を考えながら計算しましょう。

時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。

【演習】等速直線運動等速直線運動に関する演習問題にチャレンジ!...

次回予告

次回は,等速直線運動のグラフについて学びます!

等速直線運動のグラフグラフで表そうと言うと,「なんだかむずかしそう…」という声が上がりますが,むしろ逆。直接計算すると面倒な問題でもグラフを利用すると簡単に解けたり,複雑な運動が視覚的にイメージできたり,いいことづくめです!...
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