導体棒に生じる誘導起電力

今回はファラデーの電磁誘導の法則が具体的な回路でどのように使われるかを,典型問題を例にとって見ていきましょう!

 

 

例題

f:id:ph-km86-ma:20190709180507p:plain

f:id:ph-km86-ma:20190709174439p:plain

電磁誘導でもっともよく出題されるのがこのタイプの問題。

しっかり解けるようにしておきたいところです。

 

 

解答・解説

ではさっそく解説へ。

今回の問題で注意すべきポイントは,

「回路 = 1回巻きのコイル」とみなすこと

・磁束密度は変化しないが,棒を動かすことで磁束線が貫く面積が変化すること

の2点です。

この2点を合わせて考えると,回路に誘導起電力が生じることがわかります。

図で説明すると,

f:id:ph-km86-ma:20190709180356p:plain

コイル内部の磁束が増えると,コイルはあまのじゃくなので,誘導電流をつくって磁束を減らそうとします!(レンツの法則&右ねじの法則!)

f:id:ph-km86-ma:20190709195741p:plain

この説明がピンとこない人は過去記事で要復習↓ ↓ ↓

www.yukimura-physics.com

さぁ,回路に誘導電流が流れることがわかったので,これをヒントに解いていけばよさそうです!

前回の記事でお伝えしたセオリーどおり,誘導起電力の向きと大きさは別々に考えていきましょう。

f:id:ph-km86-ma:20190709203319p:plain

f:id:ph-km86-ma:20190709205139p:plain
このV = Blvという結果は,教科書では半ば公式として扱われていますが,実際はいまの計算のように,ファラデーの電磁誘導の法則から得られる式です。

公式として覚えることは否定しませんが,自分で導けるようになっておくと応用力もUPします!

 

…さて,今回のテーマは電磁誘導の問題を解こう!なのですが,電磁誘導が登場するのは(1)だけ。

(1)で導体棒に生じる誘導起電力Vが求められたので,(2)以降は導体棒を電池だと考えればOK。

f:id:ph-km86-ma:20190709211610p:plain

電流が磁場から受ける力の公式を忘れてしまっている人がいたら,これを機に思い出しておきましょう。 では最後に(4)。

f:id:ph-km86-ma:20190709213600p:plain
解答にひとつだけ補足。(3)で力の向きを求めましたが,コイルの性質を考えれば,フレミング左手の法則を使わずに求められます。

コイルの性質は何といっても “あまのじゃく” なところ。

誰かが導体棒を右に引っ張ったら,あまのじゃくなコイルは左に引き戻そうとするはずです。 だから力の向きは左。

ね? 簡単でしょ?

 

今回はここまで。

解説のために簡単な例題を扱いましたが,動く導体棒の問題はさまざまなバリエーションがあるので,ぜひ各自でチャレンジしてみてください!

 

今回のまとめノート

f:id:ph-km86-ma:20190712212231p:plain

次回予告

導体棒に誘導起電力が生じる理由を,ファラデーの電磁誘導の法則とは別のアプローチから考えてみたいと思います。

www.yukimura-physics.com