力学

運動エネルギー

いよいよエネルギーの分野に入ります!

力学では,運動エネルギーと位置エネルギーの2種類を学習しますが,それ以外にもエネルギーには,電気エネルギーや熱エネルギー,化学エネルギーなど,いろいろな種類があります。

ところで,「エネルギー」って何か説明できますか?

よく聞く言葉なのに説明できない「エネルギー」

「エネルギー」という単語を聞いたことがないという人はいないはずなのに,「エネルギーとはなにか」と聞かれると,世の中の大抵の人は説明できません。 説明できないということはわかっていないということですから,この機会にしっかり勉強しましょう!

エネルギーという言葉が分かりにくい理由は,カタカナ語だからではないでしょうか?

どうして日本語に訳してくれなかったのか謎ですが,エネルギーをひとことで説明すると,「仕事をする能力」です(もちろん,力を加えて物体を動かすという意味での「仕事」)。

このように,仕事とエネルギーの間に密接な関係があるので,エネルギーの単位には仕事と同じ J(ジュール)を用います。

「1000J のエネルギーをもっている」というのは,「1000J の仕事をすることができる」という意味です。 案外単純ですよね!


運動している物体のもつエネルギー

運動している物体Aが,静止している物体Bにぶつかると,Bを押して動かす(=仕事をする)ことができます。

この物体Aのように,運動している物体がもつエネルギーを「運動エネルギー」と呼びます。 速さが大きいほど,あるいは質量が大きいほど,運動エネルギーは大きくなります。

運動エネルギーを計算する

と,ここまでは中学校で習った内容です。 中学校の理科では,運動エネルギーをもっているかどうかや,その大小関係を比べたりしました。

たとえば,「質量10kg の2つの物体があって,片方が10m/s,もう片方が20m/sで運動しているとき,どちらの運動エネルギーが大きいか」という問題はすぐに答えられます。

もちろん20m/sのほうが大きいわけですが,10m/sの物体に比べてどれぐらい大きいのかまでは中学校の範囲ではわかりませんでした。 高校では運動エネルギーを計算で求めるので,ちゃんと数値で比較することが可能になります!

ちなみに上の問題,10m/sと20m/sで速さが2倍なので,運動エネルギーも2倍なのでは?と予想する人が多いと思います。

質量と速さが分かれば,運動エネルギーが計算できるので,実際に求めてみましょう!

ということで,速さは2倍でも運動エネルギーは2倍になりません! なんと4倍になっています。

ここまで,比例関係を扱うことが多かったのですが,運動エネルギーと速さはそのままでは比例せず,「運動エネルギーは速さの2乗に比例」するのです。

これはよく交通安全講習などで,スピードの出しすぎの危険性を教えるためによく用いられます。「80km/hで事故を起こすと,その被害は40km/hの4倍,120km/hで事故を起こすと,その被害は40km/hの9倍になる」と聞いたことはありませんか?

どれぐらい被害を与えるかは運動エネルギーで決まるので,2倍の速さで事故を起こせば,運動エネルギーは2の2乗で4倍になり,3倍の速さで事故を起こせば,運動エネルギーは3の2乗で9倍になる,というのが理屈です。 怖がらせるために大げさに言っているのではありません!笑

今回のまとめノート


時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。

【演習】運動エネルギー運動エネルギーに関する演習問題にチャレンジ!...

次回予告

次は位置エネルギーについてです。

重力による位置エネルギー物体の位置が高ければ高いほど,その物体のもつ位置エネルギーは大きくなります。具体的にどれぐらいのエネルギーをもつのかを計算で求めてみましょう。...