今回の記事のタイトルは「速さと速度」になっていますが,テーマは「似た用語をちゃんと使い分けよう!」です。
「え,速さと速度って同じ意味じゃないの??」って?
それではさっそく見ていきましょう。
「速さ」と「速度」のちがい
さっそくこの2つの用語のちがいについて見ていきましょう。 以下の例をごらんください ↓
さて,どうでしょう? 速さも速度も15m/s?
いいえ,ちがいます。 正解はコチラ↓
速さは単純に「◯m/s」という数値だけ答えればいいのに対し,速度は向きも付けなければなりません。
(※ 向きは言葉で「〜方向に」と表してもいいですが,上の例のように+,−の符号で表しておくと計算するとき便利。符号で表す場合,+は省略してもよい。)
同じ速さであっても,向きが異なれば到着する場所も異なるので,運動を調べる上で向きはとても大切な情報です。
向きがある,ということは,速度は矢印で表すことができます。
「矢印の向きが速度の向きを表し,矢印が長いほど速さが大きいことを表す」と約束しましょう。
「速さ」と「速度」は日常生活では同じ意味で使われていますが,物理ではこのようにちがう意味で用いられます。 教科書や参考書を読むときや問題を解くときはどちらの用語を使っているのか注意して読むようにしましょう!
【例題】合成速度
運動の向きは見た目だけの問題ではなく,計算する上でも重要になってきます。
そのような例として,「合成速度」の計算をしてみましょう!
合成速度とはその名の通り,2つの速度を足し合わせてできる速度のことです。 言葉で説明するよりも例を見たほうがわかりやすいので,さっそく例題をやってみましょう!!
考え方はとても簡単。
「運動している物体Aの上で,別の物体Bが運動している」とき,外からみたBの速度は,Bの速度とAの速度を足したもの(=合成速度)になります!
では,ちょっと設定を変えてみましょう。
さっきはただ数字を足すだけでOKでしたが,今度はそうはいきません。 なぜなら,AとBが逆向きに運動しているからです!
「逆向き」をマイナスで表しておいてから足しましょう。
(3)と(4)はマイナスがないと答えが全然ちがってしまいます。 運動を調べる際に「向き」が重要な役割を担っていることがわかりますね!!
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。

次回予告
次回も「似た用語の使い分け」をテーマにお送りします!!
