暑い日にプールで泳ぐととても気持ちいいですが,水は冷たいのにプールサイドはとても熱いです。 どちらも同じ日差しを受けているはずなのに,熱くなるものと冷たいままのものがある…。
この例から,物体には温まりやすいものとそうでないものがあるとわかります。
熱容量
「熱容量」という言葉,初めて聞く人も多いと思います。 熱容量とは「その物体の温度を1K上げるのに必要な熱量」のことです(単位はJ/K,「ジュール毎ケルビン」と読む)。
と,教科書には書いてあるのですが,正直ピンとこないですよね(^_^;)
いま,熱容量100J/Kの物体Aと,熱容量1000J/Kの物体Bがあるとします。
すると,熱容量の定義から,
物体A → 温度を1K上げるのに100Jの熱量を加えなければいけない
物体B → 温度を1K上げるのに1000Jの熱量を加えなければならない
ということがわかります。 さぁ,この物体Aと物体B,一体どちらが温まりやすいといえるでしょうか?
物体の温まりやすさと熱容量の関係
もちろん,温まりやすいのは物体Aの方ですよね!!
Aは100Jの熱量を与えれば温度が1K上がるのに対し,Bはその10倍の1000J必要なので,Aより温まりにくいといえます。 これで熱容量の意味が分かってきたのではないでしょうか!?
そうです! 冒頭で述べた,物体ごとの温まりやすさの違いを数値で表したものが熱容量ということになります。
つまり,熱容量の大きいものほど,温まりにくい,熱容量の小さいものほど,温まりやすいといえます。
せっかくなので付け加えておくと,「熱容量100J/K」は「温度を1K上げるのに100Jの熱量を加える必要がある。 逆に,1K下げるには100Jの熱量を奪う必要がある。」という意味なので,熱容量の大きい物体は温まりにくいのと同時に,冷めにくくもあります。
たまーに,テレビを見てるとアヤシイ通販番組なんかで「この鍋は温まりやすく,冷めにくいんです!」なんて言ってますが,物体は温まりにくく冷めにくいか,温まりやすく冷めやすいのどちらかです。 そんな都合のいい鍋はありません笑
熱量と温度変化の関係
最後にひとつ確認問題。
「熱容量100J/Kの物体の温度を20K上げるのに必要な熱量を求めよ。」
熱容量の意味がわかっていれば解くことのできる問題です。 少し考えてから続きを読んでください。
では答えです!
1K温度を上げるのに必要な熱量が100Jなのだから,20K上げたい場合は,100Jを20回分加えればいいですよね♪
つまり答えは,100✕20=2000J ということになります。 この公式はまとめノートの方に記しておきましょう。
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。


次回予告
物体の温まりやすさの話は次回も続きます!!
