原子

光電効果の実験

光電効果とは,金属に光を照射すると電子が飛び出す現象のことでした。 しかし電子は目に見えないので,たとえば「強い光を当てるとたくさん電子が飛び出す」という性質は,直接肉眼で観測することは不可能です。 直接の観測が不可能なら,間接的に測定できるよう,実験方法を工夫することが重要。

ということで,今回は光電効果の実験装置(とその実験結果)について学んでいきましょう!

(光電効果ってそもそもなんだっけ?という人は原子分野の第1講第2講で復習してください。)

実験装置の概略

電子を観測するのに一番手っ取り早いのは,その電子を電流として観測すること。 電流の測定なら電流計を使えば一発です!

そういうことなら,光電効果を組み込んだ電気回路を作っちゃえばいいよね!ってことで作られたのがコレ ↓

初見殺しの回路(笑)。 回路の各部について解説を加えたバージョンも載せておきますね。

この回路の下半分は回路に電圧をかけるだけの役割なので,一旦無視してください。

大事なのは上半分のほう。 回路の上半分には電流計がセットされているものの,スイッチONして電圧をかけても,そのままでは電流は流れません。 そりゃそうだ,ガラス管の中は導線がつながっていないんだもの。

そこで光電効果の出番! 陰極の金属板に十分な振動数の光を当ててやれば,光電効果が起こって電子が陽極にたどり着きます。

電子がたくさん陽極にたどりつけば,そのぶん回路に流れる電流も大きくなります。 これで光電効果を間接的に調べられるはず!


電圧をいじってみる

それでは,さっき無視した回路の下半分を用いて,光電効果についていろいろ調べてみましょう。

まずスイッチをA側に入れると,陽極が陰極に比べて高電位になります。 この場合,光電子は静電気力によって陽極に向かって引っ張られるため,飛び出した光電子のほぼすべてが陽極に到達すると考えられるでしょう。

また,陰極から飛び出す光電子の数は当てた光の強さで決まるため,可変抵抗をいじって陽極と陰極の電位差を大きくしても,回路に流れる電流の大きさはほとんど変わりません。

(※ 仮に光電子の数を1000個として,電位差が1Vのとき1000個すべてが陽極に到達するならば,電位差を5Vにしてもやはり1000個すべてが陽極に到達するはずなので,電流の大きさは変わらない。)

次に,スイッチをB側に入れたときを考えてみましょう。 この場合,陽極が陰極に比べて低電位になります。

よって,光電子が陽極に到達するためには,陰極に引き戻そうとする静電気力に逆らって運動をしなくてはいけません!

すると何が起こるでしょうか? 電場に逆らって運動するにはそれなりのエネルギーが必要になりますが,陰極から飛び出す光電子は,大きい運動エネルギーをもつものから,小さいものまでさまざま。

つまり,陽極にたどり着けない電子が出てくることになります!

このように,スイッチがB側に入っている場合は,十分な運動エネルギーをもっていない光電子は陰極に引き返してしまうため,陽極に到達できる光電子は減り,回路に流れる電流はスイッチをA側に入れたときに比べて小さくなります。

では,スイッチをB側に入れたまま可変抵抗を操作して,陽極の電位をさらに低くしていくことを考えましょう。 電位差が大きくなればなるほど,陽極と陰極の間の電場は強くなるので,陽極に到達できる光電子はさらに少なくなります。

そして,陽極の電位を低くし続けると,すべての光電子が陽極にたどり着けなくなり(光電子のもつ運動エネルギーには上限があるため),回路には電流が流れなくなります。

以上のことをまとめて,陽極の電位と電流の関係を表したグラフがこちら↓

阻止電圧の値は,光の振動数や陰極に用いる金属の種類によって変化します。

例題

実験の条件を変えたときに,グラフがどう変化するのかを見極められるようにしましょう!

解答はこの下にあるので,答えが決まったら画面をスクロールして答え合わせしてください!



解答はコチラ!

この問題に限りませんが,「条件を変えたら結果はどう変わるか」系の問題は,実験の意図や現象の本質をしっかり理解していなければ解けません。 結果だけ丸暗記してもまったくの無駄ですよー

今回のまとめノート