電磁気

接地(アース)

今回は電気回路の問題にときどき登場する,「接地(アースとも呼ばれる)」について考えていきます。

電位差と電位のちがい

電気の勉強をしていると,“電位差(=電圧)” と,“電位” という非常に似た2つの用語に出会います。 名前が似ている上,どちらも単位がV(ボルト)なので,区別がついていない人が多いのが現状。 まずはこの2つをハッキリさせるところからはじめましょう!

このように,回路の電圧を測るときは2点の「間」を測定する必要があります。「電圧計は測定箇所に並列につなぐ」のはこのためです。

さて,2点間の電位差は電圧計を使って測ることができますが,それはあくまでも “差” でしかなく, それぞれの点での電位は電圧計だけではわかりません!

電位差が求められれば回路の計算はできるとはいえ,電位がハッキリしないという状況はちょっとモヤモヤしませんか?

前置きが長くなりましたが,この問題を解決してくれるのが接地なのです!


接地による電位の決定

導線を使って導体や電気回路を地面につなぐことを接地(アース)といいます。

たったこれだけで何が変わるのか? 結論からいうと,接地した箇所の電位が0Vになります!

これを利用すれば,さっきまで不明だった各点での電位が決まりますね♪

つまり接地とは,電位の基準を定める行為に他なりません。 基準さえ決まれば,おのずと各点の電位も決まってきます(点電荷による電位を求めるときも,「基準は無限遠」と決めた上で計算していましたよね!)。

ところで,なぜ接地によって電位の基準が定まるのでしょうか?

実は,地球は非常に大きな導体とみなせることが知られています。 導体ということは,全体が等電位(わからない人はこちらの記事で復習しましょう!)。

地球と導体をつなぐと,その導体も地球の一部とみなせます。 よって,地球の電位を基準(0V)とすると,接地した導体も等電位となるので0V。 これが接地の原理です!

今回のまとめノート


箔検電器の回で,「金属板を触ると,電荷が体を通って地面に逃げる」と説明しましたが,この現象は人の体を通じて金属板と地球が接地されたことによるものです(金属板が地球と等電位になるために,余分な電荷を放出している)。

接地による「余分な電気を逃がす」というはたらきは,感電を防ぐということにもつながります。 みなさんの家にある電気製品にも,アース線がついているものがあるはずです(電子レンジや洗濯機など)。

感電事故防止のためにも,しっかりつないでおきましょうね!