ミニ四駆・マスダンパーの原理

ミニ四駆といえば,昔はボディに穴を開けて,軽量化する改造が主流でした(いわゆる肉抜き)。

そんな時代を見てきた人たちがミニ四駆に復帰してまず驚くのが「マスダンパー」!!

サイドやリアに付いているコレです。

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マスダンパーは「着地時にマシンが跳ねるのを防ぐ」という謳い文句ですが,その根拠はみなさん説明できますか?

「マシンが重くなるから跳ねにくい」は間違い!!

効果を正しく理解して,効果的にセッティングしなければ,ただただマシンが重くなるだけです。

 

ではどういう効果を狙っているのか,物理学の見地に基づいて説明しますが,数学に不慣れな読者を想定して計算はしません。

計算がないとフワッとした話になってしまうのですが,ご勘弁を。

 

 

ポイントは「運動量とエネルギーの保存」 

こういう実験器具を見たことがあると思います。 

これは片方の球を持ち上げて衝突させると,衝突した球はピタッと止まり,反対側の球が飛び出すというアイテムです。

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このとき,中間にある球は動きません。

全体が動くのではなく,先頭だけが飛び出すというのは面白い現象ですよね!

 

なぜこういう動きをするのかというと,「運動量保存の法則」「力学的エネルギー保存の法則」が成り立っているからです。

 

理科の勉強をしていると「保存」という言葉がよく用いられますが,日常使う「保存」とはちょっと意味が違うので注意してください!!

理科でいう「保存」とは,「変化しない」という意味です。 

この運動では「運動量(運動の勢いのこと)」と,「力学的エネルギー」が両方保存しているので,要するに「衝突する前と後で何も変わらない」ということを言っています。

もし1つの球がぶつかって全体が動いてしまったら,さすがに様子が変わりすぎ。

飛び出す球の速さは,ぶつかってきた球の速さと同じ。

飛び出す球の数も,最初に持ち上げた球の数と同じ。

保存の法則が成り立つからこそ,何も変わらないのです。

 

 

マスダンパーとの関連

で,それがマスダンパーにどう関係あるのかというと,

f:id:ph-km86-ma:20180802163247p:plainこのように,地面 - マシン - マスダンパーが衝突する球に対応しているのです!!

 

もしマスダンパーがなければ, 

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のようになってしまいますが,マスダンパーがあれば,

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このように,地面との衝突でマシンが飛び跳ねる代わりにマスダンパーが飛び跳ねてくれるのです!

 

結論

なぜ今さらマスダンパーの話を持ち出したかというと,登場からだいぶ時間が経ったこともあって,気をつけるべきポイントを間違えている人がちらほら見受けられるようになったからです。

たとえば今はボディマスダンパーも増えましたが,「ボディマスダンパーでどこを叩くか」ということを話題にしている人が割といます。

 

しかし!!

今回の話で示したとおり,マスダンパーの本質は,「本体の代わりにマスダンパーが上に飛び上がること」であって,戻ってきたときにどこを叩くかではありません!!

原理がわかっていないと,こういう的はずれな議論を真に受けてしまう可能性があります!

ミニ四駆に限りませんが,自分の頭で考えることが一番大事です!!

 

さて,最後に注意点。

金属球の衝突実験器は,金属球の質量がすべて同じに揃えられているので,真ん中の球が動きませんが,ミニ四駆本体とマスダンパーの質量には違いがあるので,そこは注意が必要です。

どのように工夫すればより効果を上げられるのかはここでの話をもとに各自考え,自分が考える最強のマシンを仕上げてみてください!