音速

遠くで雷が鳴ったとき,稲妻が光るのから遅れて音が聞こえる,という現象はよく知られています。

これは光が進む速さよりも音が進む速さが小さいことを意味しています。

では,音の伝わる速さは具体的にどれぐらいなのでしょうか?

 

 

媒質と音速

空気中の音速がどれぐらいなのかはぜひ知っておいてほしいところ。

およそ340m/s です。 俗に言う「マッハ1」ってやつです。

(マッハは速さの単位。マッハ◯=空気中の音速の◯倍)

一般的にはこの「340m/s」というのが知られていますが,これを読んでいるみなさんは音の伝わる速さについて,もう一歩進んだ理解をしてください。音速は,

・媒質によって変化する

・同じ媒質でも,温度によって変化する

のです。

 

まず媒質による音速の変化ですが,たとえば,ヘリウム中を伝わる音の速さは約970m/s で,空気中に比べて3倍ほど速いです。

一般的に軽い気体になるほど,音が速く伝わります。

この事実を利用した遊びがあるのですが,わかりますか?

それは,「ヘリウムを吸って声を高くする」というものです。

実はこの現象,ここまで習った知識で説明可能ですが,みなさんは説明できますか?

 

声が高くなる原因は,「ヘリウム中では空気中よりも音速が速い」というところにあります。

ヘリウムの化学的な性質は関係ありません!

波の基本式を思い出してください。 

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波の速さは,振動数と比例するのでした!(波長が一定なら)

声帯から口にかけて,普段空気で満たされているところがヘリウムで置き換わると,普段より音が速く伝わります。

ヘリウムの音速は空気中の3倍なので,振動数も3倍になります。

音の振動数は,音の高さに直結しているので,結果,声が高くなるというわけです。

  

ヘリウムばかり有名ですが,逆に空気より重い気体を吸えば,声が低くなります。 

あまり見かけないのは,空気より重く,人体に無害な気体が安価に入手できないからなのかな?

(注※ ヘリウムは無害ですが,純粋なヘリウムガスを吸うと酸欠になります。声を変えて遊ぶ場合は,酸素が混じった専用のものを使いましょう!)

 

さて,音は縦波なので,気体だけでなく,液体や固体も伝わります。

基本的に気体よりも液体,液体よりも固体のほうが音が速く伝わる傾向にあります。

水中での音速はヘリウムよりさらに速く,約1500m/s,氷だと約3000m/s,鉄だと約6000m/sにもなります。

このように,音速は媒質によってガラリと変わるのです。

 

 

温度と音速 

とはいえ,空気中を伝わる音を扱うことが圧倒的に多いので,媒質を空気に限定して話を進めます。

 

空気中での音速はおよそ340m/s と言いましたが,実際は温度によって多少変動します。

空気の温度を t[℃]とすると(Kではないので注意!!),音速V[m/s]は,V = 331.5 + 0.6t と計算できます。

t = 15℃だと,Vがおよそ340m/sになる)

計算式はそこまで重要ではなくて,「温度が高いほど,音は速く進む」ということを押さえてください。

 

温度によって音速が変わることから,面白い現象が起こります。

夜に大きい音を出して怒られた経験ありませんか?

「夜は遠くまで音が届く」といいますが,これは,周りが静かだから,という意味ではありません!

昼間に比べて夜のほうが,本当に遠くまで音が届くのです!!

 

ポイントは,波の屈折。

光の屈折は中学校でもやっていますが,屈折は光だけでなく,すべての波がもっている性質です。

当然,音も屈折します。

波の屈折は別の機会に詳しくやる予定ですが,簡潔に言うと,波の進む速さが変わると屈折が起こります。

光の例だと, 

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のようになります。(光は音と違って,空気中が一番速い)

 

これを踏まえて音の話に戻りましょう。

昼間は太陽の熱によって地面が温められるので,地表ほど温度は高くなります。

一方,夜になると,昼間温められた空気が上へ移動するので,上空ほど温度が高くなります。

音速は温度が高いほうが速くなるので,上空へ向かう音は,屈折をしながら進むことになります!!

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この図を見ると,昼間は上へ向かって音が屈折していくのに対し,夜は横へ向かって屈折していくことがわかります。

これが,夜の方が音が遠くに届く原理です。

 

今回のまとめノート

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次回予告 

次は音の合成で生じる現象に焦点を当てます! 

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