熱力学第1法則②

前回の内容を踏まえて,今回は法則の中身に入りたいと思います。 

前回の記事はコチラ↓

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熱力学第1法則の形 

熱力学第1法則は,前回紹介した,Q,U,Wを用いて,

Q = ⊿ U + W

と書くことができます。

高校物理は比例関係の公式が多いので,このように足し算で書かれる公式は珍しいです。

Uに変化量を表す(デルタ)がくっついていることに注意してください。

(つまり,⊿ Uは内部エネルギーがどれだけ変化したか,を表す)

式はとても簡単ですが,この式は一体何を意味しているのでしょう?

 

熱力学第1法則の意味

この式は,「物体に熱を与えたとき,その熱がどのように使われるか」を示しています。(物体と書きましたが,以後気体で話を進めます)

 

「気体に熱を加えると何が起こるか?」と質問されたら,ほとんどの人が「温度が上昇する」と答えると思います。

この「温度の上昇」に対応するのが⊿ Uです。

(前記事参照。温度が上がると,内部エネルギーUも増加する)

 

上の質問に対する答えはもうひとつあります。

それは,「気体が膨張する」ということです。

袋に入ったパンをレンジでチンすると袋がパンパンになります!

「気体が膨張した」は物理の言葉で表現すると,「気体が(外部に)仕事をした」です。

この「気体のした仕事」に対応するのがWということになります。

 

以上まとめると,熱力学の第1法則とは,

「気体に熱を加えると,その熱は温度上昇(内部エネルギーの増加)と体積の膨張(外部にする仕事)に使われる。

そして,温度上昇に使われた分と膨張に使われた分を合計すると,はじめに与えた熱量に等しい。」

ということを主張しています。

 

大事なのは後半部分です。

与えた熱量以上に内部エネルギーが増えることはないし,与えた熱量以上に仕事をすることもできない,ということを言っています。

これはつまり,「エネルギーは保存する」という一言に尽きます。

 

 

熱力学第1法則のイメージ

第1法則は,人間に例えるとわかりやすいです。

食べ物を食べた分をQとします。(カロリー=熱量を摂取していますよね!)

食べて摂取したエネルギーで我々は活動(仕事)しています。

これは第1法則のWに相当しますね!

 

ところで,食べた分しっかり仕事をすればプラスマイナスゼロですが,仕事しないで寝たらどうなるでしょう??

そう! 太ってしまいます!! 

食べた分のエネルギーのうち,仕事に使われなかった分が脂肪になります。

脂肪は体の中に蓄えられたエネルギー,つまり内部エネルギーです。

Q(食べた分)=⊿ U(脂肪)+W(活動)

とイメージすると覚えやすいのでオススメです!

 

重要な注意事項①:数値の代入について 

熱力学第1法則を使う場合に一番気をつけなければいけないのは符号です。

例えば「気体に50Jの熱を加えた」とあればQに50と代入しますが,「50Jの熱量を放出した」とあったら,Qにはー50を代入する必要があります。

このように,問題文の設定に応じて,必要ならばマイナスをつけなければいけないので注意しましょう!

詳しくはまとめノートに書いておきます。

 

重要な注意事項②:Wの定義について

これは上の注意①と関連した話なのですが,手元に教科書があるなら,熱力学第1法則が載っているページを見てください。

本によっては「⊿ UQW」と書かれていると思います。

 

一方,この記事で最初に紹介した式はQ =⊿ UWの形でした。移項してもこの2つの式は一致しません!

実は第1法則は,教科書によってこのように式が異なります。

もちろんどちらも正しいのですが,この2種類によって熱力学第1法則がわかりにくくなっている感は否めません。

 

式が異なるのに,どちらも正しいとは一体どういうことなのか。

そのトリックは「Wが何を表しているか」にあります。

 ⊿ UQWと書かれている本を持っている人は,Wが何を表しているのかよく見てください。

「気体が外部から “された” 仕事」と書かれているはずです!

このブログでは,Wは「気体が外部に “した” 仕事」としています。

 

お分かりでしょうか?

“した” と “された” では意味が真逆です!!

Q =⊿ UWを使って計算するときは,気体がした仕事 → +,された仕事 → ー,として代入します。

⊿ UQWを使って計算するときは,気体がされた仕事 → +,した仕事 → ー,になります。 

 

Wの符号にさえ気をつければ,どちらを使っても構いませんが,先ほど説明した人間の例えはQ =⊿UWじゃないと使えないので,このブログでは今後も一貫してQ =⊿UWを使っていきます!

 

今回のまとめノート

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問題集でいくつか問題を解いてみて,使い方をマスターしておきましょう!

 

次回予告

次回は熱を仕事に変える装置のお話です!

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